第05話「お母さんの手紙」

    放送日時:2007年02月04日
    初登場キャラ:(なし)
    → キャラクター紹介・原作比較

     アランは、フォーシュルヴァンが馬車の下敷きになってしまっとことをマドレーヌ市長に知らせに、走って市長の屋敷に駆け込みました。マドレーヌが現場に着くとそこには既に人だかりができていて、ジャヴェールがジャッキを持ってくるように指示をだしていました。それでは間に合わないと考えたマドレーヌ市長は、荷台を持ち上げようとしますが、荷物が一杯積まれていて、全然上がりません。市長は応援を求めてみるのですが、下手すればフォーシュルヴァンと同じように下敷きになってしまうかもしれない状況の中、誰も手を貸そうとはしませんでした。人間の力ではどうにもならないのは明らかでした。ジャヴェールが「ジャッキの代わりになる人間など…」と言いかけた時、ジャン・ヴァルジャンのことを思い出して「あの男がもしここに居ればこの荷馬車を持ち上げることも可能かもしれない」と言いました。もう時間がないと判断したマドレーヌは「ジャッキの代わりになれる人間は何もその徒刑囚だけじゃない」とジャヴェールに言い放ち、荷台に背中を付け、渾身の力を振り絞り荷台を持ち上げにかかりました。荷台が上がりかけたとき、村人が助けに加わり、荷台が完全に持ち上げられました。出来た隙間からフォーシュルヴァンは引っ張り出され、病院に送られました。
     フォーシュルヴァンは一命を取りとめたものの、膝の関節を痛め、荷物運びのような脚を酷使する仕事は二度とできない体になってしまいました。フォーシュルヴァンはそのことで、これからの生活に絶望していました。マドレーヌ市長はそんなフォーシュルヴァンに仕事を紹介すると約束し、また使い物にならなくなった荷馬車と死んでしまった馬を買い取ってしまいました。そんなマドレーヌに感極まったフォーシュルヴァンは市長のことを“本物の聖人”とまで呼び、この恩はいつか必ず(返す)と言いましたが、マドレーヌ市長は「私に恩返しなどいい。その気持ちを大切にして、いつか誰かを助けてあげるといい」といいました。
     その晩のアランの家の食卓では、アランがマドレーヌ市長が荷馬車と馬を買い取ったことを弟たちにしていました。3度も繰り返し話すほどアランにとっては衝撃的だったのです。食事が終わり水を汲みに出てきたアランの弟のダニエルは、玄関先で静かに立っていたジャヴェールに驚き、転んでしまいました。ジャヴェールはマドレーヌの素性をアランに尋ねに来たのでした。しかし、マドレーヌ市長がモントメイユ・シュル・メールに来る前のことは何も知りませんでした。ジャヴェールは「なんでそんなこと聞くんですか?」と聞くアランに「知らなければいい」とごまかし、アランの家から去っていきました。
     翌日、アランは使いを頼まれました。フォーシュルヴァンの新しい仕事先“パリの修道院の庭番”の紹介状でした。そのときアランが昨日、ジャヴェールが家まで来て「この町に来るまでにどこで何をしていたのか」と聞かれたことを話すと、マドレーヌは考え込んでしまいました。「気づかれてしまったのか」と。
     黒硝子の女工場の休憩時間のこと、ファンティーヌはテナルディエからの“預かり費”の値上げ要求を見ていました。その手紙が嘘だとも知らずにファンティーヌは学校などの費用だと思い込み、10フランを毎月送ることに納得してしまうのでした。そこに仲間の女工が話しかけてきて、ファンティーヌは慌てて手紙をポケットに隠します。それを見て「何も隠さなくったっていいじゃない」とゼフィーヌは不快感をあらわにしました。ファンティーヌが逃げるように立ち去った後「ありゃきっと男だね」などと女工は噂をしますが、ゼフィーヌはわざわざ手紙にしているという点から「相手はこの町の人間じゃない」「ただの恋人じゃない」と推測しました。そのとき、ゼフィーヌはファンティーヌが落とした中身がない封筒を見つけました。その封筒には差出人として「モンフェルメイユ、ワーテルロー亭」と書いてありました。
     コゼットは洗濯と掃除を仕事を終えると、女将に報告にいきました。亭主と女将は採算が取れないらしく、ため息をついて悩んでいました。そのとき一人の旅人が宿屋に入ってきました。2人は途端に顔色を変え、コゼットに追加の買い物をしてくるように言うのでした。
    コゼットは毎日、教会で字を教わっていました。しかし、買い物の追加を言い渡され、買い物に出たコゼットは「今日は無理かな」と落ち込みました。そのとき、ガヴローシュがシュシュと一緒に買い物をしてくるから、コゼットは勉強してきなよと言い出し、コゼットはこの日もなんとか勉強することができたのでした。
     一方、学校が終わったエポニーヌは、クラスメイトのトロンを家に誘いますが、トロンに用事があるからと言われ、断られてしまいます。そしてトロンは、教会で字を習っているコゼットのもとへ遊びに行っていたのです。コゼットは神父に「もっと沢山の字を覚えたら、お母さんに手紙を書いてあげるといい」と言われ嬉しくなるのでした。しかし、その様子をエポニーヌに見られてしまいました。
     その晩、エポニーヌは部屋に閉じこもってしまいました。コゼットは女中代わりの仕事をしていると、旅人がモントメイユ・シュル・メールの話をしているのを聞きました。旅人が黒硝子のボタンを出していたので、コゼットは思わず仕事を忘れて、その黒硝子のボタンを借りて見入ってしまいました。そのことを亭主にとがめられ、コゼットは女将から仕事を命じられてしまいます。旅人が自分がやると言いますが、それを亭主は止め、そして「ウチの宿屋とっておきの話」をし始めるのでした。
     亭主は「何故この宿屋がワーテルロー亭というのか」という話しを始めました。それによると、“ワーテルローの戦いで軍曹だったテナルディエが、重症を負った大佐を銃弾の中助け出したからこの名前になったのだ”と話した。
     朝になって、モントメイユ・シュル・メールを通ってきたという旅人は、黒硝子のボタンを無くしたことを亭主と女将に話していました。その旅人は“見つけたら送ってくれないか”と高めの宿代を払い、去って行きました。早速探そうとするコゼットに、女将は余計なことはしなくていいから洗濯するようにと命じました。そこにエポニーヌが近づき、コゼットが黒硝子を盗んだと女将に話しました。コゼットは否定し、ガヴローシュも加勢しますが、女将と亭主は聞きません。女将がコゼットを外に出し、箒で打というとすると、シュシュが唸り、威嚇します。シュシュは吠えながら開いたドアから宿屋に入り、中で匂いを嗅ぎます。外に出るよう言うコゼットを横目に、シュシュは黒硝子を見つけ、コゼットの無罪を証明するのでした。
     そしてコゼットはシュシュに乗って旅人を追いかけ、黒硝子を旅人に返しました。そして、モントメイユ・シュル・メールはどんな町かと尋ねました。旅人は「とても活気があって、賑やかで、素敵な町だったよ」と答えました。
     ファンティーヌは自分の部屋でテナルディエ宛ての手紙を書いていました。そのときゼフィーヌが昼間拾った封筒を返しにやってきました。ファンティーヌは慌てて封筒を隠しますが、ゼフィーヌは机の上にあった“コゼット”という名前が書かれた判子を見つけてしまいました。



    ――管理人感想&よく解らない解説――
     まず、語られる順番は別として基本的には原作どおりです。細部は設定変更点がありますが、特には興味ないでしょう。基本的にサボりです。細かいことを見たい、またはサボるなと言うならメールください(笑)。加筆しますので…。

     このストーリー紹介で黒文字の部分はストーリーの重要部分ばかりで、青文字の部分は案外どうでもいい部分が多いようには見えませんか? このアニメは原作の要素を細かく散りばめて、それを基礎としてオリジナルのエピソードを付加しているようでして、各回に原作のエピソードは余り多くは入っていません。その分、冒険はしているのでしょうが、オリジナルの比率の分だけ質は下がり、物語が動かないスカスカの、テンションが低い感じに見えてしまいます。
     コゼットがやっていることが2話から殆ど何も変わってないんですね。何と言うか、そこの辺りはあらすじの書きようがないです。ファンティーヌ・アラン・マドレーヌのエピソードを絡ませて、時間が無いのかもしれませんが、もうちょっと違う演出方法なかったのですかね…。

     第3話、つまりシュシュが登場して以降、「シュシュがやってくれないと…」という感じのエピソードがいつ出てくるかと恐れていましたが、やはり、そして、こんな早くから出てきてしまいました。こういうエピソードは嫌いです、ハッキシ言って。何と言うか、現実味が全くないでしょ?話しも聞いて居ないはずのシュシュが言語を完璧に理解し、黒硝子を探してコゼットを助けるなんて!
     次の話しにしたってそうですが、匂いを嗅ぎ分けてハイなんて芸、普通に飼育された犬ならできるわけがありません。この話の黒硝子をシュシュが見つけるというエピソードは、名劇の悪い部分が現れたエピソードだと私は思います。「七つの海のティコ」や「名犬ラッシー」でやりすぎたアレの再来ですかね…。ああ恐ろしや恐ろしや。
     犬はあくまでも犬として描くべきだと思います。

     あと、あきれて余り言う気にもならないんですが、綱も付いてない全力疾走する犬に乗るなんて芸当はサーカス団員でもできないと思います。
     
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