第02話「ジャン・ヴァルジャンの秘密」

    放送日時:2007年01月14日
    初登場キャラ:ガヴローシュ、ゼフィーヌサンプリス、ミリエル司教(回想)、ジャヴェール
    → キャラクター紹介・原作比較

     コゼットはテナルディエ夫妻の宿屋“ワーテルロー亭”でこき使われてました。玄関前の掃除にテーブル拭き、それに看板拭き…と山積み状態でした。初対面の時は一緒に遊んでいたはずのエポニーヌとアゼルマは、母親の教育のお陰で、コゼットに威張り散らすようになりました。テナルディエ夫妻にはエポニーヌ・アゼルマ以外にも、ガヴローシュという男の子供がいました。しかし、女将は「男の子なんかちっとも可愛くない」と言い放ち、ゆりかごを蹴るなどやりたい放題でした。そのとき女将はコゼットを見て、コゼットにガヴローシュの世話をさせることを思いつき、コゼットにキツく命令するのでした。以降、コゼットはガヴローシュの世話もすることになりました。
     一方、モントルイユ・シュル・メールに働きにきたファンティーヌはメイエに工場へ案内されます。工場は“余計なトラブルを避ける為に”男女別になっていました。ファンティーヌはゼフィーヌに工場での面倒を見てもらうことになりました。
     昨日、雑用係として雇われたアランはマドレーヌのことが気に入りません。泥棒をした自分を雇うマドレーヌはおかしいのではと思います。「やっぱやめよう」と帰りかけるが、仕事欲しさに勝てず、マドレーヌの屋敷に向かいました。中ではマドレーヌ市長がお待ちかねでした。「俺はまだ働く気はない」というアランにマドレーヌは包みを渡し、急ぎであることと1000フラン入ってることを告げ、修道院の病院にいるシスターサンプリスのもとへ向かわせるのでした。使いに出たアランは1000フランが入ってることを知り、泥棒である自分にくれたのだと曲解し、自分で持ち帰ろうかとも考えますが、良心に邪魔されて「くそーー!!」と叫びつつ修道院へ向かうのでした。修道院でアランはサンプリスから“マドレーヌが貧しい人々なら無料で治療できるように寄付をしている”ことを聞き、死んだ自分の母親もこの街に住んでいれば助かったんじゃないか…と悲しくなるのでした。そして、マドレーヌのやり方をとことん見てやるしかないなと思い、ついていくことを決意するのであった。
     ある日、アランが市長の部屋に入ると、マドレーヌは新聞を持ってぼんやりとしていた。いつもの市長らしくない行動だったので、アランがそのように言うと、マドレーヌは「ミリエル司教が天に召された」と言うのだ。かつてマドレーヌがお世話になったことがある司教様で、この世のどんな言葉を並べても足りない程素晴らしい司教様だった…とマドレーヌは続けた。「大袈裟だな」というアランに、マドレーヌはジャン・ヴァルジャンという監獄から出たばかりの男の話をはじめた。
     ジャン・ヴァルジャンという男はは飢えた甥・姪のためにたった1つのパンを盗み監獄に入れられ、何度も逃げようとしたために、19年もの間監獄に居たという。罪を償って監獄を出ても、人々に虐げられ、のけ者にされ、宿に泊まることどころか食事の注文ですら断られたという。ミリエル司教は彼を家に招きいれ、暖かい食事と一夜の寝床を与えたが、ジャン・ヴァルジャンは司教の家から銀の食器を盗んで逃げ出した。彼はすぐに警察に捕まり、司教の家に連れてこられたが、司教は銀の食器を盗まれたと言うどころか、銀の燭台を手に取り、「あなたはこれを忘れて行きましたね。この銀の燭台も差し上げると言ったはずですよ?決して忘れてはなりませんぞ、あなたがその銀を心正しい人になるために使うと約束したと言うことを」と言い、ジャン・ヴァルジャンを許し、改心するように遠まわしに言ったのであった。
     しかし、マドレーヌは自分がジャン・ヴァルジャンであることはアランに話さなかった。
     コゼットがこき使われ続けて3年、エポニーヌとアゼルマは意地悪姉妹へ成長していました。しかし、コゼットにもガヴローシュという頼もしい味方ができていました。
     ある日のおやつの時間、焼き菓子をもらったエポニーヌは、コゼットの横で美味しそうに食べて意地悪してやろうと考えました。しかし、いざアゼルマを引き連れて実行しようとしたとき、さらに面白い意地悪を思いつきました。それは焼き菓子を隠して、コゼットに取られたと女将さんに言い、女将さんにコゼットを叱ってもらうことでした。しかし、その意地悪をアゼルマに聞かせているところをガヴローシュに盗み聞きされていました。コゼットはなすすべも無く怒られてしまいます。エポニーヌとアゼルマが満足して、いざお菓子を食べようとしたところ、隠した場所にお菓子はありません。ガヴローシュが隠し場所から取ったのです。コゼットはそれを返したほうがいいとガヴローシュに言いますが、エポニーヌが隠して意地悪したことを言われると、そのお菓子を食べてしまいました。エポニーヌとアゼルマは母親に泣きつきますが、相手にしてもらえませんでした。
     ファンティーヌはテナルディエからの嘘の手紙を読みながら、「親切なテナルディエさんからの手紙であなたの様子はわかるけど、あなたの近くにいてあげられないことがとても辛くなるの…」とコゼットのことを想うのでした。
     成長して角のとれたアランは、孤児院に関する報告書をマドレーヌに出していました。マドレーヌは「できるだけ早く、多くの子供達に暖かいベッドと食事、それから教育を与えてあげたい」と孤児院事業をとりかかることにした。
     そして、モントメイユ・シュル・メールに季節外れの嵐がやってきたその日に、マドレーヌの屋敷の前に馬車が止まり、一人の恐ろしい形相をした男が降り立った…。



    ――管理人感想&よく解らない解説――
     ジャン・ヴァルジャンの過去と、それを語る「つなぎ」的なストーリーですね(それだけかよ…)
     ジャン・ヴァルジャンの過去については原作の第1部第2章にやはり長々と書かれている。忠実に再現されているが、当然と言えば当然だが、司教にお世話になったこと以外は描かれていない。
    その他については街や工場の様子などはほぼ原作どおりであるが、話のほうはある程度オリジナルエピソード(例:アランに関すること)が追加されている。
     
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